半坪ビオトープの日記

大聖院、摩尼殿


勅願堂のすぐ横に小さな極楽観音堂がある。

極楽観音堂には、約1mの木造の聖観音像が祀られている。大聖院観音堂が百八観音霊場の第17番だが、この小さな聖観音は第18番である。

極楽観音堂の脇から右手を見上げると、高台に摩尼殿が認められる。

摩尼殿に上る急な石段にも、円筒形の摩尼車が設置されている。

昭和51年(1976)に建てられた摩尼殿は、上下2層になっていて、複雑な5手先の組物が重厚さを際立たせている。摩尼殿の前に長く突き出た唐破風向拝虹梁の木鼻には、よく見かける獅子鼻や獏鼻とは異なる、龍のような空想上の動物と思われる彫刻がたくさん施されていて興味深い。

摩尼殿は、弥山三鬼大権現の祈祷所である。弥山三鬼堂と同じく、時眉鬼神(大日如来の化身)、追帳鬼神(虚空蔵菩薩の化身)、魔羅鬼神(不動明王の化身)の三鬼神を全国唯一祀っている。初代総理大臣の伊藤博文も篤く信仰したといわれている。

摩尼殿の左手には、庖丁塚と小さな薬師堂がある。庖丁塚では、毎年3月8日に庖丁供養と庖丁式が勤修される。薬師堂には、小さな薬師如来十二神将が安置されている。

摩尼殿から石段を下りる途中、勅願堂の裏手に八角万福堂の瓦屋根が見える。堂内には七福神が祀られている。

石段を下りきった突き当たりに、金色に輝く涅槃仏が横たわる釈迦涅槃堂がある。釈迦が入滅する姿をあらわした、いわゆる寝釈迦と十六羅漢を祀る。その下には、釈迦の生涯説明図がある。生誕地などの写真や成道などの絵図が並び、解説をゆっくり読むと面白い。さらに手前には、仏足跡がある。