半坪ビオトープの日記


ヤマノイモ(山芋)に姿が似た花が、近くの家の窓辺に這い上がって満開に咲いていた。ヤマノイモ属のオニドコロ(Dioscorea tokoro) の雌花である。日本全土の山野に多く生えるつる性の多年草で、花期は7〜8月。雌雄異株で、雄花序は直立し、雌花序は下垂する。
ヤマノイモは、葉が細く対生だが、オニドコロの葉はハート形で、互生する。

根茎は肥厚してかたく、灰汁で煮て水にさらさないと食べられない。ひげ根を野の老人に見立て、海のエビを海老と書くように「野老」と書き、根に塊ができることから、「凝(とこり)」がなまってトコロになったという。芭蕉に「この山のかなしさ告げよ野老掘り」の句がある。
ところで、埼玉の所沢の名の由来は、在原業平が野老(ところ)が多く生えているのを見て「この地はところの沢か」と言ったことに由来するともいわれる。