半坪ビオトープの日記


5mmほどの小さな桃色の花が、20〜30cmの花茎の周りに螺旋状に並んで咲くこの花は、ネジバナ(捩花、Spiranthes sinensis) という。スピランテスという属名は、ギリシア語 speira(らせん)と anthos(花)に由来し、螺旋状に咲く花にちなむ。

アジアからオーストラリアまで広く分布し、日当たりのよい草地に自生する。6月〜7月頃、芝生や公園など最も人間の生活圏に近い所で普通に見られるラン類である。別名に、ネジレバナ、ネジリソウ、モジズリなどがある。
モジズリ(捩摺)と聞けば、古今集の次の和歌がすぐ思い出されるであろう。
みちのくのしのぶもぢずり誰ゆゑに 乱れそめにしわれならなくに 河原左大臣源融古今集(恋・4・724)
ただし、信夫(福島)もじずりとは、もじれた石の上に忍草や美しい花を置き、布を被せて叩き色素を移した摺衣(現存していない)のことといわれる。

基本色は桃色だが色には濃淡がある。ただし、白色種は珍しい。