半坪ビオトープの日記


クリーム色の細長い雄花の花序が目立つこの花は、クリ属のクリ(Castanea crenata) である。カスタネアという属名は、ヨーロッパグリに対するラテン古名 castanea に由来するが、その名は古代アテネの北にあったテッサリア(Thessalia) にある、栗で有名な街 Castania にちなむ。
クリは日本全国及び朝鮮半島中南部に広く分布する落葉高木で、高さは17mにも及ぶ。雌花は雄花の基部または別の葉腋につく。クリの仲間には、チュウゴクグリ(C. mollissima) 、ヨーロッパグリ(C. sativa) 、アメリカグリ(C. dentata) があり、どこでも古来より食用、木材として利用されてきた。

地中海地域では至る所に繁茂している。イギリスへは古代ローマ人が伝えたらしく、田舎の景物のひとつになっている。フランスではマロングラッセを作る。ドイツでは背痛よけの、北アメリカではリューマチよけのまじないとしてクリの実をポケットに入れて持ち歩くが、イギリスでは人からもらうか借りた実でないと効果がないという。