半坪ビオトープの日記


初秋の山地の林下でたまに出会う、ナデシコ科のフシグロセンノウ(Lychnis miqueliana) を団地の庭で見かけた。
リクニスという属名は、ギリシア語 lychnos(炎)に由来し、花色にちなむ。和名のセンノウ属の仙翁とは、京都嵯峨の仙翁寺にこの花が咲いていたことに由来するといわれているが、江戸時代に詮索された結果、遠い時代に廃寺となっていて調べる由がないとされている。

節の部分が暗赤色を帯びるので節黒仙翁という。本州、四国、九州の山林の沢筋に自生する多年草

フシグロセンノウの花弁のふちは滑らかだが、ナデシコのように細かく切れ込んだこの花は、ガンピ(岩菲、Lichnis cornata) という。中国原産の多年草で、江戸時代にはすでに庭に植えられ、茶花としても人気を博した。
花径は5cmほどで、花期は6〜7月。葉も花もきりりとしていて、フシグロセンノウより愛好される。もちろん、和紙の原料となるジンチョウゲ科の樹木、ガンピ(雁皮)とは違う植物である。