半坪ビオトープの日記

キキョウ(桔梗)

いよいよ明日からスイスに行く。立秋は来週だが、秋の七草の一つ、キキョウは既に7月から咲いている。山野の日当たりのよい草地に生える高さ70cm前後の多年草。日本全土、朝鮮、中国に分布し、古くから観賞用、薬用として栽培されている。7〜9月、分枝した茎の頂に一つずつ青紫色の花を横向きに咲かせ美しい。キキョウ科キキョウ属の一属一種の植物で、イワギキョウ、チシマギキョウなどとは別種。花色には他に白色、青色、紫色、桃色などがあり、江戸時代には重弁花、大輪種など園芸種がたくさん作られた。
漢名は桔梗で、古くは漢音で読み「きちこう」といい、俳句では今も使われる。別名に盆花、嫁とり花などがある。繊細で優美な姿は、衣裳、螺鈿蒔絵、装身具などの文様にもよく登場する。
万葉集で5首歌われている朝顔は、キキョウという説とムクゲという説があり断定しがたい。枕草子には「桔梗」「あさがほ」と並び記されているので、平安時代には桔梗として愛されている。しかし江戸時代以前の詩歌には意外と少ない。
かくて果つる我世さびしと泣くは誰ぞしろ桔梗さく伽藍のうらに 与謝野晶子
紫のふつとふくらむききようかな 正岡子規