半坪ビオトープの日記

実久海岸、嘉入の滝

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実久海岸

実久海岸にようやく着いたが、どんよりと曇っていてせっかくの実久ブルーも雲の影が写っていまいちさえない。左手先の防波堤まで行ってみることにする。

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防潮堤から見た実久海岸

やはり、向かいの防潮堤から実久海岸を眺めたほうがまだ良い。

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実久ブルー

晴れていれば実久ブルーを満喫できただろうが、この天気でもこれだけ青い海を見せるとは驚きだ。

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シュノーケリングを楽しむ親子

防潮堤の外側でシュノーケリングを楽しむ親子が羨ましいほど、水は静かに透き通っている。

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アダンの実

浜辺にはタコノキ科のアダン(Pandanus odoratissimus)の実がなっている。アダンは雌雄異株で、雌株にできるパイナップルに似た果実は熟すと甘い芳香を発するが、硬い繊維質で食用には適さない。だが葉や茎は古くから細工物に利用されている。日本ではトカラ列島以南の南西諸島に分布する。

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巨大なデイゴ

実久から薩川に向かい、途中で右(南)に折れて加計呂麻島の西側、つまり太平洋側に出て、阿多地集落に着く。ミャー(宮)と呼ぶ広場には、アシャゲと呼ぶ吹き抜けの祭場とトネヤと呼ぶ建物があり、その手前に巨大なデイゴErythrina variegata)の木が立っている。

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夫婦デイゴ

デイゴは初夏に咲くのだが、開花期間は一週間ほどとかなり短く、まだ咲いていない。この木は夫婦デイゴと呼ばれている。

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ヒカゲヘゴ

阿多地集落を過ぎて森の中を進むと、道端に大きなシダの木を見つけた。日本最大のシダ植物で、ヒカゲヘゴ(Cyathea lepifera)という。奄美大島以南、オキナワ、台湾、フィリピンなどに生育する。

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デイゴの花

森の中が開けて、名もない小さな集落にデイゴの木があり、加計呂麻島で唯一花が咲き始めていた。

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嘉入の滝

嘉入(かにゅう)の集落から山道を上がり始めると、嘉入山の中腹で嘉入の滝が現れる。古来「ウティリミズヌ滝」として住民に親しまれ、聖域としてノロの親神だけが肌身を清めるエリアでもあった。水源地は標高310mの嘉入山で、滝の落差は15m、滝壺は約2mあり、滝の王者大鰻が生息しているといわれている。

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「たづき」のソーキそば

嘉入山の南を横切って大島海峡側に下ると、俵の集落があり、東に進むと瀬相港に着く。加計呂麻島の中央にある瀬相には島では数少ない食堂がある。小さな飯屋「たづき」でソーキそばを食べる。大きなソーキがドンと麺の上に置かれていて、それがまたよく煮込まれていて美味しい。

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アシャゲ跡、オボツ加那志

昼食後、民俗資料館のある俵(ひょう)の集落に戻った。公民館の二階が民具資料館ということだが、あいにく閉館していた。この近くが俵集落の始まりとされ、アシャゲ跡がある。アシャゲと呼ばれる祭場では、ノロの神事が行われていた。琉球神道では神がいる他界概念として、ニライカナイとオボツカグラがある。ニライカナイは海の彼方の水平線上の庶民的な他界であり、オボツカグラは垂直的な権威的な他界といえる。集落の裏山を、天上を示す「オボツ山」として信仰し、その場所を神の座(くら)すなわちカグラ(神座)と呼んだ。右手に見えるオボツ加那志と表記される石塔は、元文5年(1740)に建てられている。

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ヤマブキソウ

近くにヤマブキソウが山吹色の花を咲かせていた。ケシ科クサノオウ属のヤマブキソウHylomecon japonica)は、本州、四国、九州の山野に生育する多年草で、和名はバラ科の低木、ヤマブキ(Kerria japonica)に似ることに由来する。なるほど花がよく似ている。