半坪ビオトープの日記

美ら海水族館、ジンベエ・マンタ


3階から2階におりてくると、美ら海水族館のメインスポット・「黒潮の海」の大水槽が見えてくる。脇から見るときには柱が邪魔になるが、大きなジンベエザメやマンタ、キハダ、カツオや数種のサメなどが悠々と泳ぐ姿に驚く。

ぐるっと回り込んで行くと、奥の最上段の観覧席からゆっくり見ている人がいる。ジグザグの道を下って行く間も、正面の巨大な水槽の中を泳ぐジンベエやマンタから目が離せない。

水槽の目の前から見上げる巨大な魚たちの悠々と泳ぐ光景は、この世のものとは思えないほど神秘的であり、神聖無垢な生命の力強く偉大な荘厳さに圧倒される。ジンベエザメは、サメや軟骨魚類としてのみならず、すべての魚類の中で現生最大の種であり、世界中の熱帯・亜熱帯・温帯の表層海域に広く分布する。約6,000万年前に登場したと考えられており、動きは緩慢で危険性の低いサメである。和名は、体表の模様が着物の甚兵衛(甚平)に似ることによる。日本各地の方言による呼称には、「いびすさが」(茨城)、「えびすざめ」(千葉、神奈川、静岡)、「じんべい」(福井)、「くじらぶか」(鹿児島)、「みずさば」(沖縄)などがある。

巨大なジンベエの向こうには、これまた大きなマンタが泳いでいる。マンタと通称されるオニイトマキエイ(Manta birostris)は、トビエイ科に属する世界最大のエイで、大きいものでは体の横幅8m、体重3トンに達し、毒針はない。

ジンベイのすぐ下にいる水玉模様のエイは、マダラトビエイという。黒い背面に白い斑点があり、長い尾の基部に毒針を持つ。世界中の熱帯・温帯の沿岸近くに生息する。他にもいろいろなエイが泳いでいるが、明らかな特徴がないと見分けがつかない。

マンタの手前で腹を見せているエイは、頭が飛び出るトビエイの仲間で、マダラトビエイと思われる。

やはりマンタは大きいだけでなく、なんとも優雅な姿をしている。世界中の熱帯・亜熱帯の特にサンゴ礁周辺に生息する。普段は外洋の表層を遊泳するが、沿岸域でも見られ、日本近海では石垣島周辺に多い。表層を遊泳しながら大きな口を開けて海水とともにプランクトンを吸い込み、エラで濾しとって食べる。繁殖は卵胎生で、生まれたばかりの子供でも体盤幅1m、体重50kg前後ある。およそ10年で成熟し、寿命は20年以上と推定されている。

館内を一通り見終わった後に4階に上がると、ジンベエ・マンタなどが遊泳する「黒潮の海」の大水槽を真上から観覧できるコースがある。黒潮探検(水上観覧コース)と銘打った人気のコースで、大きく動き回るジンベエザメの背中を目で追いかける、迫力満点の体験を味わえる。

1階には深層の海に住む生き物が飼育展示されている。これはオオグソクムシフナムシやワラジムシと同じ等脚類の仲間の大型種。海底に沈んだ生物の死骸などをあさって食べる海底の掃除屋。沖縄では水深500m以深からカゴなどで採取される。

海洋博公園内にあるエメラルドビーチが美ら海水族館の北に望まれる。大きなサンゴ礁に囲まれたエメラルドグリーンの礁湖(ラグーン)とコバルトブルーの大海原の対比が美しい。Y字型に3つに区分されたコーラルサンドの真っ白い人工ビーチは、「快水浴場百選」に選ばれている。

美ら海水族館の正面海側には、マナティー館、イルカラグーン、ウミガメ館などの屋外施設が並び、サンゴ礁の彼方には伊江島タッチューが特異な姿を見せている。
また、忙しくなって来たので、当分の間、かなりペースダウンすることになった。ご了承ください。