半坪ビオトープの日記

コアマチャ

ヤマアジサイの装飾花が八重咲きになったものがシチダンカ(七段花、H. serrata 'Prolifera') で、これも江戸時代から栽培されている。絶滅したといわれていたが、近年六甲山で発見されたという。それは青い八重咲きである。
一方、ガクアジサイがヨーロッパに紹介されたのは江戸時代後半だが、人工交配で品種改良されてセイヨウアジサイとして逆輸入されたのは明治になってからである。
ベニガクやシチダンカのようにヤマアジサイなど江戸時代の品種改良は、人工交配ではなく根気よく選別した結果である。江戸時代には、キクや変わり咲きアサガオハナショウブなどの栽培ブームが起こり、その品種の多さは世界一であった。
また、ヤマアジサイには「甘茶」の成分であるフィロズルチン配糖体の多い系統があり、それを特にアマチャ(コアマチャ)という。右上の花がそのアマチャである。この葉を乾かして、4月8日の花祭りに使う甘茶を作る。
装飾花ははじめ淡紫色だが、やがて淡紅色に変わる。3〜5個の萼片は先がまるく荒い鋸歯がある。
これでアジサイの仲間の紹介が終わる。近所の軒先、植え込みだけでもかなりの種類が見られ、株の数も多かった。アジサイは最も大衆的な人気がある園芸品種といえる。