半坪ビオトープの日記

王室守護寺院ワット・プラケオ

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ワットプラケオ右手の国防省

バンコク観光二日目は、スカイトレインBTSを乗り継ぎ、サーム・ヨート(Sam Yot)駅から歩いてワット・プラケオと王宮周辺に向かう。ワットプラケオの右手(東)には黄色い国防省の建物が建っている。

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ラク・ムアン(Lak Muang)町の柱

国防省のすぐ先(北)には、バンコク発祥の地を示す、ラク・ムアン(Lak Muang)町の柱がある。タイでは新しい町を造る場合、バラモン教の教えに従ってまず基準点となるべき柱を建て、その町の永遠の発展を祈る習慣がある。バンコクでは1782年4月21日にラーマ1世により建てられ、ラーマ4世が現在の柱に建て替えた。白い建物の中に金色に飾られた柱が2本ある。

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王室守護寺院ワット・プラケオ

チャクリー王朝は1782年、前トンブリー王朝時のタクシン王の配下だったチャクリー将軍がタクシン王を処刑して、ラーマ1世として王位に就いたときから始まる。ラーマ1世は即位後、チャオプラヤー川東岸へ遷都し、王宮を建て始めた。四方を1,900mの壁に囲まれた面積218,000平米の敷地内には、国王の宮殿、即位式の建物、王室守護寺院や、宮内庁及び官庁などの建物が配置されている。王宮の敷地内に入るとすぐ東に、回廊に囲まれた王室守護寺院ワット・プラケオが眺められる。中央には黄金に輝く仏舎利塔プラ・シー・ラタナー・チェーディと背後にプラ・モンドップとプラーサート・プラ・テープビドーンが並び、右手にはエメラルド仏像を祀る本堂が建っている。

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ウィハーン・ガンダーラ

本堂入口近くにある青と黄色のタイル張りの建物がウィハーン・ガンダーラ。ヘレニズム文化とインドの伝統美術が融合したガンダーラ様式の仏像が安置されている。左奥の建物がウィハーン・ガンダーラ

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ワット・プラケオ(Wat Phra Kaew)の本堂

王室守護寺院ワット・プラケオ(Wat Phra Kaew)の本堂には、タイで最も尊崇されている本尊仏・エメラルド仏が安置されている。実際には緑色の翡翠で彫られたエメラルド仏の膝幅は48cm、高さは66cmである。1434年、チェンライにあった仏塔が落雷で破壊され、漆喰で覆われた仏像が発見されたが、その漆喰の中から緑色の仏像が取り出された。その後ラオス226年留まった後、1778年に後のラーマ1世が将軍時代にタイに持ち帰り、1784年にこのエメラルド仏を王室守護寺院に安置された。それがエメラルド仏寺院とも呼ばれる所以である。

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エメラルド仏寺院とも呼ばれる

エメラルド仏の両脇には2体の宝冠仏立像が安置され、須弥壇の前にはプラ・サンプッタ・パンニー像と呼ばれる仏像が安置されている。堂内は見事な壁画で装飾され、仏陀が悟りを開く寸前の場面や、「仏陀の一生」の誕生、出家、説法、入滅などの場面や「仏陀の前世」の場面などが描かれている。しかし、残念ながら、エメラルド仏も含め堂内は撮影禁止である。

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プラーサート・プラ・テープビドーン

本堂の北側、石造りのテラス上に王室専用の御堂、十字型のプラーサート・プラ・テープビドーンが建っている。四層重ねの屋根を持つ典型的タイ寺院風の建物中央部から石造りの仏塔が突き出し、仏塔の先端にはヒンドゥー教の破壊の神、シヴァの象徴が飾られている。堂内にはラーマ1世から8世に至るチャクリー王朝の歴代国王像が納められているが公開されてはいない。

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プラ・スワンナ・チェーディ

右に見える金色に輝く2基の角張った仏塔は、ラーマ1世が自分の両親に捧げるために建てたプラ・スワンナ・チェーディ。この寺院内で最も古い仏塔とされ、『ラーマーヤナ』に登場する鬼神と猿神が交互に並んで仏塔の台座を支えている。

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鬼神の「ヤック」と猿神の「モック」

歯を食いしばり靴を履いているのが鬼神の「ヤック」で、大口を開けて裸足なのが猿神の「モック」である。

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8基の仏塔

プラ・スワンナ・チェーディの右手(東)奥に見える仏塔は、8基あって整然と一直線に並んでいる。タイル張りで装飾された仏塔の色で区別され、仏陀、仏法、僧団、国王、観音菩薩弥勒菩薩などと意味付けされている。

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金色の半人半鳥像

プラーサート・プラ・テープビドーンの入口階段脇には金色の半人半鳥像が配置されている。

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聖鳥キンナラ像

インドのヒンドゥー神話、『ラーマーヤナ』=タイの『ラーマキエン』に登場する半神的生物で、仏教用語では「キンナラ」と呼ばれている。聖鳥キンナラの男はキンノーン、女はキンリーあるいはキンリンと呼ばれ、歌や踊りの得意な天の楽人である。間近に寄れるため、記念写真を撮るには絶好である。

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プラ・モンドップ

プラーサート・プラ・テープビドーンの右(西)に見える建物は、仏教経典を納めるプラ・モンドップだが、堂内は非公開である。手前のテラスには、アンコール・ワットの模型がある。19世紀末、当時シャム(現在のタイ)の属国だったクメール国の大寺院に感動したラーマ4世が造らせたもの。

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プラ・シー・ラタナー・チェーディ

プラ・モンドップの右(西)に並んで建っているのは、黄金に輝く仏舎利塔プラ・シー・ラタナー・チェーディ。ラーマ4世がアユタヤにあるワット・プラ・シー・サンペットの仏塔を模して建てたもの。スリランカ風の塔内部には仏舎利が納められている。