半坪ビオトープの日記

セビリア大聖堂内

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セビリア大聖堂

セビリア大聖堂内に入ると、その広大さに驚かされる。柱の数は28本。中央部の天井も高く、天井付近のステンドグラスも小さく見える。天窓から差し込む光で、天井付近が黄金色に輝いていて、それも厳粛さを増している。

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コロンブスの墓

堂内に入ってすぐ右手にはコロンブスの墓がある。墓とはいうが、コロンブスの柩であって、当時スペインを構成していたレオン、カスティーリャ、ナバーラ、アラゴンの四人の国王が担いでいる。前列右側の国王が槍でザクロ(グラナダの紋章)を突き刺しているが、これはグラナダの陥落でレコンキスタが完了したことを表している。背景の絵は、旅行者の守護聖人といわれる聖クリストフォロスである。

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コロンブスの墓

クリストファー・コロンブスChristpher Columbus)は、イタリアのジェノバ生まれの航海者で、アメリカ新大陸の発見者として知られる。スペイン名はクリストバル・コロン(Cristobal Colón)。ポルトガルに移住後、地理学者トスカネリの説に触発され、西回り航路でインドに到達する計画を立て、スペイン女王・イサベル1世の後援を得て1492年8月、3隻の船でパロス港を出発。1012日、現在のバハマ諸島の一つ、グアナハニ島に到着、サンサルバドル島と名付けた。その後の航海でドミニカやトリニダードにも到達したが、統治能力を批判されて、晩年は富も名誉も失い不遇のまま54歳で没した。死ぬまで発見地をインドの一部であると信じていた。

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コロンブスの墓

コロンブスが1506年、スペインで病没した後、遺骨は植民地等各地を転々としたが、この豪壮な墓碑はスペインで鋳造されて1898年にキューバに送られたもの。だが、数カ月でスペイン・アメリカ戦争が起き、スペインが敗北。

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コロンブスの柩の裏

そこで墓碑はスペインに戻され、セビリアの大聖堂に葬られたという。棺の中の遺骨が本物かどうかは諸説ある。それはともかく、メキシコ、ペルーで銀鉱山が発見され、スペインが一躍ヨーロッパで最強の国となったのは、コロンブスの死後半世紀ほど経ってからであった。16〜17世紀には、全ヨーロッパの供給量の1/5に当たる18万トンの黄金と、160万トンの銀がセビリアを経由してヨーロッパ各地に流れ込んだという。

柩の裏面にはスペインの紋章が描かれている。

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カトリック世界最大の木製祭壇衝立

聖歌隊席に向かい合って内陣(Capilla Mayor)があり、仕切り格子の先に黄金色の大きな木製祭壇が見える。高さ20m、幅13mもあり、カトリックで世界最大と称される。イエス聖母マリアの生涯が45場面に分けられ、ゴシック・フランボワイヤン様式でマリアとイエスを中心に1000体を超える彫刻群で構成されている。この木製レタベル(祭壇衝立)は、1482年から1525年にかけて制作され、その後、金3トンの金箔が施されたという。

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「イエスの礫刑」と「ピエタ

木製祭壇衝立の頂点には「イエスの礫刑」像があり、その下には十字架から降ろされたイエスを抱く聖母マリア、いわゆる「ピエタ」が配されている。マリアの左右には12使徒がいる。

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マリア像

格子の間から木製祭壇衝立をよくみると、下部中央に鎮座するのはマリア像である。元々アンダルシア地方は4世紀頃からマリア信仰が根強く、このセビリア大聖堂内にはマリア像が圧倒的に多くある。

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聖歌隊

内陣の向かいに聖歌隊席(Coro)がある。聖歌隊席というが、実際は高位聖職者たちが祈りを捧げるための祈祷席である。マルダーハウル・スタイルの聖歌隊席は117席あり、高価なマホガニー材で作られ、細かな浮き彫り彫刻が施されている。中央奥にはイエスとマリアの絵画に挟まれた豪壮な司教席がある。西ファサードのバラ窓の上に見える身廊の天井は黄金色に輝いている。

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パイプオルガン

聖歌隊席にある巨大なオルガンのパイプは、全部で7500本あり、長いものは10mにもなるという。

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銀の祭壇

コロンブスの墓から後方を振り返ると、北の翼廊には大きな銀の祭壇(Alter de plata)が鎮座している。巨大な王冠や聖母マリア像、聖人イシドロ像などが配された豪華絢爛な祭壇であり、全体で2.5トンの銀が使われているという。銀の祭壇上部には「イエスの復活」と思われる、円形のステンドグラスが嵌め込まれている。

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聖杯の礼拝堂

聖杯の礼拝堂には宗教画と聖杯のコレクションが展示されている。主祭壇には「イエスの礫刑」像が掲げられている。

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「イエスの礫刑」

こちらの壁にも「イエスの礫刑」の祭壇画が掲げられている。