半坪ビオトープの日記

キラメッセ室戸/鯨の郷


龍河洞から室戸岬まで向かう一本道は、60km以上あってかなり混んでいる。途中、歴史的な吉良川の街並みもあったが、先を急いだ。道の駅「キラメッセ室戸」に鯨館という捕鯨や鯨の資料館が併設されていたが、見学は省略して早めの昼食をとった。

まだ室戸岬まで15kmほどあるが、目の前には雄大な太平洋が果てしなく広がっている。この辺りの行当−黒耳(ぎょうど−くろみ)海岸には、約4000万~3500万年前の深海底で砂と泥が交互にたまってできた地層=タービダイト層が一面に広がっている。そのタービダイト層の中には様々な太古の出来事の記録を観察することができるという。

右手(北)には黒潮洗う吉良川町の海岸線が続いている。室戸で古式捕鯨が盛んだったのは、江戸時代後期から明治初期にかけての藩政時代で、鯨を網で追い込んだ後に銛を使って仕留める形式だった。今でも室戸市では祭りの際に、当時の勢子舟を再現して競争する鯨舟レースが開催されるという。

左手(南)の海岸線の先は行当岬となり、その先に室津港やドルフィンセンターがあり、室戸岬はさらにその先にある。

キラメッセ室戸の敷地内には鯨館の他に、地元名産の鮮魚や鯨料理が楽しめる食事処「鯨の郷」がある。もちろんお目当ては鯨料理である。

古くから日本有数の鯨の生息地として知られる高知県だが、この室戸では今でも鯨料理が郷土料理として残されている。この鯨の郷では、鯨だけでも刺身、たたき、ステーキ、竜田揚げ、フライ、焼肉定食とメニューが多いが、迷わず刺身定食を頼む。太平洋を一望できるレストランで、鯨の刺身を味わえるのは最高の楽しみである。もちろん美味しい。

鯨のたたき定食も、色々な野菜とともに鯨肉を味わうことができてうれしい。

端午の節句の頃、高知市東部のこの辺りでは、鯉のぼりとともに大きな大漁旗のような旗が見られる。これがフラフである。語源は英語のflag、あるいはオランダ語のvlag(フラフ)といわれる。図柄は金太郎・桃太郎や、秀吉・義経那須与一などの武者絵、七福神・宝船などがある。豪快に青空に舞うフラフは、南国土佐の初夏の風物詩といえる。