半坪ビオトープの日記

岩木山神社、百沢温泉


3年前に津軽に来た時には岩木山の周りを2・3日巡ったが、一度も山の姿を眺めることができなかった。今回は岩木山の麓の高照神社に向かう途中、薄曇りでもようやく岩木山を目にして感慨深い。岩木山の標高は1,625mで、青森県の最高峰であり、その山容から津軽富士とも呼ばれる。

高照神社のすぐ近くの百沢地区にある岩木山神社は、岩木山の南東麓にある神社で、津軽国一ノ宮とされ、「お岩木さま」「お山」「奥の日光」とも呼ばれる。
創建には諸説あるが、最も古い説では、宝亀11年(780)岩木山の山頂に社殿を造営したのが起源とされる。延暦19年(800)岩木山大神の加護によって東北平定をなし得たとして坂上田村麻呂が山頂に社殿を再建し、その後、岩木山北麓の十腰内地区に下居宮(おりいのみや=麓宮、現在の巌鬼山神社)が建立され、山頂の社は奥宮とされた。寛治5年(1091)神宣により下居宮をこの百沢地区に遷座し、百沢寺と称した。天正17年(1589)岩木山の噴火により百沢寺は全焼したが再建された。江戸時代には弘前藩の総鎮守とされ、津軽信義、信政のときに拝殿や本殿が再建された。明治の神仏分離により岩木山神社とされた。

祭神は、顕(うつし)国魂神、多都比姫神宇賀能売神大山祇神坂上刈田麿命とされ、まとめて岩木山大神と称する。
現存する社殿や楼門は、江戸時代初期から元禄時代にかけて代々の弘前藩主が造営・寄進したもので、本殿・拝殿・奥門・楼門等が国の重文に指定されている。詳しくは3年前の夏に参観しているので、その時の記事を参照してもらいたい。この参道の奥、拝殿脇から岩木山へ通じる百沢登山口がある。

この日は岩木山神社の真向かいにある、百沢温泉の富士見荘に泊まる。中々場所が分からず探しまわったが、まさか売店の2階が旅館とは気付かなかった。左脇にできた玄関は新しいが、まだ看板が間に合わないようだ。部屋は売店と同じく古いが、いつでも岩木山神社が見えるのでよしとしよう。

温泉は掛け流しの天然温泉で、泉質はナトリウム・鉄・炭酸水素塩化物泉。お湯は悪くないのだが、露天風呂はなく、風呂場まで遠く、最後に急な階段があって落ち着けないのが残念だった。

料理は、地産地消を基本に、創作料理や津軽の郷土料理にこだわっているという。魚介類も新鮮で、カニも付いていて満足できた。

量は少なくても牛肉のしゃぶしゃぶが美味しかった。