半坪ビオトープの日記

龍勢祭り


椋神社では、例祭の際に龍勢を打ち上げる龍勢祭りが有名であるが、境内に龍勢記念碑が建っている。これは日本武尊が立てた矛が光を放ち飛んで行ったという創祀伝説に基づいて、氏子達が神社前方の吉田河原で大火を焚き、その燃えさしを取って力の限り投げ、火を飛ばして光を放ち御神慮を慰めたのが始まりという。その祭りが代々受継がれてきた経緯と、龍勢の製造法や打ち上げ方を紹介するものである。

龍勢とは、神事としての手作り花火・ロケットのことで、櫓にかけて打ち上げる様が、龍の昇天の姿に似ていることから龍勢と呼ばれる。椋神社前の広場に見物客が集まる中、龍勢を打ち上げる前に制作者による口上が、この広場の櫓の上で行われる。口上が終わると、いよいよ目の前の山裾に組まれた高い櫓から龍勢が打ち上げられる。

この龍勢は、口径3寸ほどの火薬筒を長さ10間余りの青竹に縛り付けたもので、これを打ち上げ櫓にかけて大空に打ち上げる。その高さは200〜300mにおよび、轟音を響かせて上っていく。約15分間隔で30本以上の龍勢が打ち上げられる。しかし、中には横にそれて行くもの、不発と思われるものもあり、うまく打ち上がると大きな歓声がわき起こるという。

近くには道の駅/龍勢会館があり、龍勢の実物展示や龍勢祭りの映画、各流派の紹介などが展示されている。

左の大きな建物内には、実物大の櫓と色とりどりの背負い物、長い矢柄などが展示されている。

実際の龍勢の構造は3つに分けられる。先端から背負い物、火薬筒、矢柄である。背負い物は、唐傘、花火、落下傘など仕掛けのセットで、各流派が趣向を凝らした技術の見せ所である。

火薬筒は、松材をくり抜き、竹のたがで補強し、火薬を詰める。矢柄には背負い物・火薬筒が縛り付けられ、方向舵の役目をもつ。