半坪ビオトープの日記


翌朝も八ヶ岳の勇姿をもう一度見たくて獅子岩まで出かけた。獅子岩野辺山駅との間に、国立天文台野辺山宇宙電波観測所がある。
可視光を観測するハッブル宇宙望遠鏡と違って、電波によって宇宙の様子を観測するのが電波望遠鏡である。
「ミリ波」という電波を観測できる電波望遠鏡では世界最大の口径45mを誇る。大きな望遠鏡は自分の重さで鏡面が変形してしまうが、これは矯正できるよう設計されているという。

こちらは「ミリ波干渉計」という。6台のアンテナをケーブルで繋いで同時に観測することで、最大で直径約600mの電波望遠鏡に相当する解像力で天体画像を描き出すという。移動台車で最適な観測位置に移動できる。

たくさん立ち並んでいる小さな観測装置は、「電波へリオグラフ」という太陽専門の電波望遠鏡である。84台のアンテナを使い、直径500mの電波望遠鏡に相当する解像力を実現している。最大で毎秒20枚の画像を得られ、ビデオモニターとして活用されている。

広い敷地内には、ほかにも「太陽電波強度偏波計」という観測装置や各種の見学者用説明装置が設置されている。時間があれば展示室も見学しておくとよい。

敷地内で黄色のヤマガラシ(Barbarea orthoceras)の群落を見かけた。山地の谷沿いなどに自生する。ただし、外来種のハルザキヤマガラシ(B. vulgaris)とほとんど区別がつかない。ここは開墾地と考えられるので、多分後者であろう。

こちらの小さな花は、イヌナズナ(Draba nemorosa)という。イヌナズナ属の越年生の一年草で、北半球に広く分布し、道端や荒れ地に生育している。いわば黄色いナズナで、雑草みたいなものだ。