半坪ビオトープの日記


平沢山から飯盛山へ向かう下りは急坂で滑りやすい。雨上がりだと難儀すると思われ、一般コースが平沢山を迂回する理由が分かった。
飯盛山への尾根道に合流すると視界が開けて心地よい。道端に朱色のクサボケ(Chaenomeles japonica)が咲いていた。関東以西の日本特産種で、日当りのよい山野に自生している。

こちらの黄色の花はキンポウゲ属のキンポウゲ(Ranunculus japonicus)で、日本中の山野に普通に見られるが、鮮やかな黄色の花は遠くからでもよく目立つ。

こちらの桃色の花はサクラソウ属のサクラソウ(Primula sieboldii)で、北海道・本州・九州の山野に自生する。日本のサクラソウ類の代表種であり、日本サクラソウとも呼ぶ。江戸時代には武士を中心に数百の園芸品種が作られるなど、日本の古典園芸植物として広く親しまれてきた。

花を眺めながら進むと簡単に飯盛山(1643m)に着いた。円錐形の山頂からの眺めは360度抜群であり、特に南八ヶ岳の景観が素晴らしい。赤岳(2899m)も大きく高いが、左の権現岳とその左の三ツ頭の山容も大きい。

飯盛山は先ほどの平沢山より10m低いはずだが、不思議なことにこちらの方が高く見える。赤岳とその右の横岳も、獅子岩より離れたせいか、獅子岩から見上げたときより迫力が薄れたようだ。

山頂に集まるタテハなどの蝶を激しく追い払って山頂を占有しているのは春型のキアゲハ(Papilio machaon)の雄である。
よく見かける光景だが、この山頂占有の理由はやはりここに来る雌を占有することにある。

帰りの斜面でタンポポの花を見かけた。タンポポも種類が多く判断に迷うが、萼片が反り返っているのでセイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)である。