半坪ビオトープの日記


酒列磯前神社は、天安元年(857)には官社、延喜式神名帳では、酒列薬師菩薩神社として名神大社に列せられている。
現在の社殿は、元禄時の木材・彫刻等を再利用し、昭和9年から国費で改築された。

拝殿入口の上部にある防火のための「懸魚の彫刻」は、「ブドウとリス」の彫刻で、東照宮の彫刻を終えた左甚五郎が飛騨に帰国する途中でここに参拝し、その御神徳に心をうたれて彫ったものであるという。

拝殿の左手奥に建つ酒列鎮霊社は、氏子の戦死者を祀る招魂社である。

酒列(さかつら)の名の由来には諸説ある。神社周辺の海岸の岩石群は南に約45度傾斜して連なっているが、その一部に北に傾いた箇所があるため「逆列(さかつら)」の地名が生まれ、祭神少彦名命が酒造の神でもあるので酒瓶を列ねて祀ったからともいう。あるいは、酒列は「さかなみ」とも読み、波浪の激しい逆波にちなむともいわれる。

拝殿から続く本殿の入口に、緑・黄・茶色に彩色された唐三彩のような陶器と思われる狛犬が鎮座している。

この神社では、大己貴命を大黒さん、少彦名命をえびすさんとしても信仰されている。
本殿の後ろの杜を抜けると海に出るという。