半坪ビオトープの日記


祖師堂(本堂)裏に位置するのが大客殿で、信徒の接待所として、昭和4年に完成した。総檜造りで、入母屋造瓦葺、平屋建ての左右に細長い建築である。東京都の選定歴史的建造物になっている。大工棟梁鈴木源治郎の設計による。
大客殿前に広がる池泉式庭園は、邃渓園(すいけいえん)という。

書院造りの座敷4室を左右1列に配し、それらの手前には庭に面しガラス障子を立て込んだ廊下がある。

座敷のうち最も奥に位置する「頂経の間」の「南天の床柱」は、日本一のものといわれ、直径30cm、滋賀県伊吹山にあった樹齢約1,500年の南天の自然木を使用したものである。天井には杉の一枚板を鏡板に用い、折上げ部分に漆を塗っている。

邃渓園は、関東の造園師ではこの人の右に出る人はいないといわれた向島の庭師、永井楽山の設計による。昭和40年の完成といわれるが、楽山は戦前からこの庭造りを手がけ、92歳で没するまで手をかけていったという。
客殿の前は芝生を基調とした植え込みと配石の庭園である。

庭園への立ち入りは禁止されているが、周囲に設けられた屋根付の回廊から鑑賞することができる。
彫刻ギャラリーと庭園見学はセットになって有料(400)である。

帝釈天の外で、エアープランツが売られていた。エアープランツ(Airplants)とは、アナナス科チランジア(Tillandsia) 属の仲間を指す。属名は、スウェーデンの植物学者で医学教授のティルランツの名にちなむ。
熱帯アメリカに広く分布する着生植物で、葉から雨や空気中の水分を吸収する。多くの種が知られているが、これはストリクタ(T. stricta) という種と思われる。