半坪ビオトープの日記


先月中旬、芝増上寺を見てきた。浄土宗鎮西派、三縁山広度院増上寺は、明徳4年(1393)酉誉聖聰(ゆうよしょうそう)上人により開かれた。
場所は武蔵国豊島郷貝塚、現在の千代田区平河町から麹町にかけての土地と伝えられている。開山から戦国時代にかけて浄土宗の東国の要として発展し、天正18年(1590)に徳川家の菩提寺として選ばれ、慶長3年(1598)に現在の芝の地に移転した。
大門は増上寺の総門・表門にあたり、現在のものは昭和12年にコンクリート製に造り直されたものである。

増上寺の中門にあたる三解脱門は、慶長16年(1611)徳川幕府の助成により建立され、元和8年(1622)に再建された。
三解脱門とは、三毒煩悩(貪欲、瞋恚=怒り、愚痴)から解脱するという意味である。

江戸初期に造営された当時の面影を残す唯一の伽藍で、都内最古級の木造建築物の一つであり、国の重文に指定されている。
入母屋造・本瓦葺の屋根に朱漆塗重層の楼門で、楼上には釈迦三尊像十六羅漢像、歴代上人尊像が安置されている。寄木造りの釈迦如来座像は七重蓮台に座し、左には象に乗る普賢菩薩座像、右には獅子に乗る文殊菩薩座像が配置されている。戦後初の一般公開というので見に来たのだが、期待通りの迫力ある仏像が処狭しと並んでいる様は圧巻であった。特に十六羅漢像および歴代上人像の変化に富んだ姿形と表情は素晴らしかった。

三解脱門をくぐると参道の先に大きな大殿(本堂)が大きく構えている。そのすぐ向こうには東京タワーが紅白に塗り分けられて建っている。

旧本堂は戦災で焼かれ昭和49年に再建された。本尊の阿弥陀如来像は室町期の作で、両脇には高祖善道大師像と宗祖法然上人像が祀られている。