半坪ビオトープの日記


さて、中断していた青森・津軽の旅の続きを再開しよう。
津軽の亀ヶ岡といえば、縄文晩期の遮光器土偶(重文)の出土で有名である。国史跡の亀ヶ岡遺跡の手前に木造(きづくり)亀ヶ岡考古資料室があり、その中の縄文館にレプリカが展示されている。左足が欠けているその実物は、東京国立博物館に所蔵されている。

麻布を貼付けて漆を塗った籃胎漆器や、赤い顔料で彩色した土器も見つかっていて、縄文時代の技術の高さを証明する出土品が多い。
この首のない遮光器土偶も亀ヶ岡出土のもので重文のものよりやや古いとされる。亀ヶ岡文化圏は東北地方が中心だが、今では遮光器土偶の影響が樺太から四国、北九州にまで広がりを見せている。
出土物の一級品はほとんど研究目的で持ち出され、地元にはその後農作業中に発見されたものが多いのが実情である。

遮光器土偶の大きなモニュメントがある、しゃこちゃん広場の周辺から遮光器土偶が出土しているが、近くには今から約5000年前の縄文前期から中期にかかる田小屋野貝塚もある。

津軽半島の西側を鯵ヶ沢から七里長浜を北上すると十三湖にたどり着く。
13世紀から15世紀にかけて北方交易で繁栄した十三湊(とさみなと)遺跡は、十三湖日本海に挟まれている。
十三湖大橋を渡ると、中島遊歩道橋の先にある中島には奈良時代の中島遺跡がある。また、市浦歴史民俗資料館では、十三湊を支配した安藤氏関連資料を見ることができる。

道の駅、十三湖高原の展望台から十三湖を遠望することができる。

展望台の下にたくさん咲いていた黄色いブタナ(Hypochaeris radicata)は、エゾコウゾリナ属の多年草である。ヨーロッパ原産で、ヨーロッパではハーブとして食用にもされる。
日本に昭和初期に渡来した帰化植物で、日本中および世界中に広がっている。フランスで豚のサラダ(Salade de pore)という俗名があることから和名のブタナ(豚菜)になったという。