半坪ビオトープの日記


そこかしこに「ひので三ツ沢つるつる温泉」の看板がある。この小さな白い花は、コゴメウツギ属のコゴメウツギ(小米空木、Stephanandra incisa) という。
属名は、ギリシア語 Stephanos(冠)と ander(男)からなり、果時に雄しべが冠状に宿存していることにちなむ。日本及び朝鮮半島の低い山地に普通に見られる。5月頃、花径4mmほどの小花を総状花序に咲かせる。コメノキ、キクバヤマブキなど多くの方言がある。

こちらの白い花は、ウツギ属のマルバウツギ(Deutzia scabra) という。ドイツィアという属名は、植物学者ツンベリーのオランダ人の友人ドイツの名にちなむ。日本原産で、関東以西の九州までの山地に自生する。葉は4〜7cmの卵形で先が少し尖る。5月に側枝の長い円錐花序に約1cmの花を多数咲かせる。花芯が橙色であることが特徴である。

この可憐な黄色のランは、キンラン(金蘭、Cephalanthera falcata) という。北海道を除く日本、朝鮮半島、中国の山地の樹陰に自生する。
多くのラン科植物は、落ち葉や倒木などの腐生菌に依存するが、キンランと共生する菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成し共生する外菌根菌である。そのため菌根性樹木、菌根菌、キンランの三者共生系が構築されないと栽培できないため、自生地から掘って移植しても数年で枯死する。
1997年に絶滅危惧2類にも指定されているが、移植は不可能なので絶対に採ってはいけない。

こちらは今回のコースでよく見かけた、アイリス属のシャガ(Iris japonica)である。中国原産で、かなり古くに日本に渡来したと考えられている。人家近くの樹陰や湿った所に群生し、4〜5月に開花する。

日の出山山頂から約1時間で日の出山ハイキングコース入り口になり、舗装道路を20分ほどで「生涯青春の湯、つるつる温泉」にたどり着く。この温泉は日の出町営施設である。800円の入場料で風呂につかり、ビールと食事を楽しむ。
泉質はアルカリ性単純温泉で、アルカリ性が肌をつるつるにするという。ゆったり休んだあと、バスに乗って武蔵五日市まで行く。これが機関車型バス「青春号」だが、我々は臨時の普通のバスに乗った。
二日前まで曇り後雨の天気予報が、日の出山まで晴れ渡ったハイキングになり、温泉近くまで降られずに済んで当初の目的通り「温泉ハイキング」を満喫できてよかった。