半坪ビオトープの日記


炎のように赤い総状花序をなして花開いているのは、ユリ科アロエ属の木立アロエ(Aloe arborescens) という。南アフリカ原産の多肉性低木で、明治初年に日本に渡来し、西南日本の太平洋岸には野生化しているところがある。
花期は12月から2月。先日、おりしも可愛らしいメジロが、アロエの花の蜜を吸いに来ていた。

アロエは古くから医者いらずの名で民間薬として火傷、切り傷、虫さされに汁液を塗布し、胃腸病などに生食する。
アロエに関するもっとも古い記録は、ピラミッドのミイラの膝の間に置かれていた古代エジプト医学書「エーベルス・パピルス」といわれる。
今から3500年以上前の本で、そこには下剤のほかアロエを使った数々の処方が書かれているという。

また、新約聖書ヨハネ伝には、キリストを埋葬するとき、ユダヤ人の埋葬の習慣に従い、没薬(ミルラ)と沈香アロエ)を混ぜたものを塗ったと書かれている。ちなみにミルラはミルラノキの樹液で、ミイラ作成時の防腐剤として使われ、ミイラの語源になった。