半坪ビオトープの日記


最近何かと忙しく、屋上のプランターの面倒を見なくなってしまった。久しぶりに見に行くと大きなジョロウグモ(女郎蜘蛛、Nephila clavata)が網を張っていた。上臈蜘蛛と書かれることもある。
アシナガグモジョロウグモ属だが、コガネグモ科とする説もある。本州以南の日本、朝鮮、台湾、中国に分布する大型のクモで、10〜11月に交尾・産卵するのだが、残念ながらこの巣には小さなオスの姿は見当たらない。

メスの腹部には幅広の黄色と緑青色の横しま模様があり、黄色と黒の肢とあいまってよく目立つ。
秋に成熟すると腹側下部の糸いぼの周りに鮮紅色の帯ができ、横から見ても美しい。
このメスの本体は2cmほど、肢を含めた全長は7cmほどであった。

ジョロウグモは、JSTX−3という毒を持ち、網にかかった昆虫を麻痺させるが、毒の量は微量のため人には危害はない。
逆にジョロウグモの天敵はベッコウバチ類であり、クモの背中側に取り付き、針で麻酔液を打ち卵を産みつけるのだが、必ずしも勝つとは限らず、クモに捕らえられる場合もある。この網にかかっている昆虫の死骸もどうやらハチに見える。
ジョロウグモは、近縁のコガネグモよりかなり大きな、径1mほどの複雑な円形の網を張り、主網の前後に補助の網も作り、三重の網のように見えるというが、このように古くなると形が崩れてよく見分けられなくなる。