半坪ビオトープの日記


子供の頃からどこにでも見られたオシロイバナ白粉花、Mirabilis jalapa) は、まことに不思議な花である。属名は、ラテン語 mirabilis(不思議な、驚くべき)に由来する。
種小名は、メキシコ産のサツマイモ属の一種で下剤になるイポメア・ヤラッパに根が似ていることに由来する。

不思議なことに花びら(花冠)がない。花びらに見えるのは萼が色づいて発達したもので、基部の萼状のものは総苞で5深裂している。
特異なことに開花は午後4時ごろで、明け方には閉じてしまう。そのため英名は、そのものずばり、four-o'clock という。

黒い種子をつぶすと白い胚乳が白粉となる。事実、江戸時代には白粉の代用に使ったそうで、オシロイバナと呼ばれるようになった。

熱帯アメリカ原産で、日本には元禄時代に渡来した。花色には、赤、桃、白、赤紫、黄、絞り、染め分けと変化に富み、易変遺伝因子植物として遺伝学の実験にも使われる。