半坪ビオトープの日記


榛名山への途中にある高根展望台からは赤城山が見える。ここで美しいカラスアゲハの雌を見かけた。蜜を吸っているのは、カモメヅル属のイケマ(Cynanchum caudatum) の花。
イケマとはアイヌ語で「太い根」あるいは「神の足」という意味で、アイヌ民族では重要な薬草とされ、魔除けや病除けに偉大な霊力があるとして乾燥させて蓄えていたという。
乾燥した根は「牛皮消根」として利尿剤に使われるが、アルカロイドを含み有毒なので注意を要する。ただし、新芽は山菜として食用にされる。
上の葉にいる虫は、高原でよく見かけるヨスジハナカミキリ。

榛名山の外輪山、掃部ケ岳の登山口の花壇で、コレオプシス属のイトバハルシャギク(Coreopsis verticillata) とテングチョウを見かけた。
葉が線形あるいは糸状に分裂してたいへん細く輪生するこの花は、宿根コスモスの名でも流通している。
アメリカ原産の落葉多年草で、頭花の径は5cm、高さ30〜40cmの矮性種が多く出回っている。

テングチョウ(天狗蝶)の名は、頭端が長く突出して「天狗の鼻」のように見えるために名付けられた。
ユーラシア大陸に広く分布するが系統的には古く、アメリカの第三紀層中から化石で発見されている「生ける化石」でもある。