半坪ビオトープの日記


一般にトケイソウ属の花は、5枚の花弁と5枚の萼片が交互に並び時計のように見えるが、雄しべ他の形が著しく特異な姿をしている。
この花は、クダモノトケイ(Passiflora edulis) といい、食用として栽培されるとパッションフルーツと呼ばれる。属名のパッシフロラとは、ラテン語 passio(苦難)と flos(花)に由来し、花の姿がキリストのはりつけ(受難)を連想させることにちなむ。
花弁の手前の長いひも状、放射状の副花冠をキリストの後光に、5個の雄しべを十字架上のキリストに見立てるが、中央の子房の上の3つにわかれた柱頭も変わった形をしている。
トケイソウ属には食用となる種が50種ほどあるが、それらの総称としてパッションフルーツということもある。
クダモノトケイは、ブラジル南部原産の常緑つる性木本多年草で、長さ5〜10cmの果実ができる。17世紀初期にスペイン人宣教師に発見されたあと、熱帯・亜熱帯に広く伝播した。

トケイソウ属の花は、白、赤、紫、桃色などの花色や花の構造の変化に富み、また、園芸品種もたくさん作出されている。この花は、ライラックレディあるいはジャネットと呼ばれる品種と思われるが、配色がきわめて鮮やかで美しい。