半坪ビオトープの日記


職場の裏庭で鉢植えのシュンランの花が咲きだした。シンビディウム属のシュンラン(春蘭、Cymbidium goeringii) は、中国、朝鮮半島、日本に広く分布する常緑の多年草で、カンラン(寒蘭)とともに東洋ランの一つとして余りにも有名である。
属名は、ギリシア語 kymbe (船)と eidos (形)に由来し、唇弁の形にちなむ。各種の園芸品種があるシンビディウムと同属で、和名はシュンラン属という。種名は、植物採集家グーリングの名にちなむ。
特に中国春蘭は「一茎一花」ともいわれ、古くから栽培・観賞され、多くの銘品が作出されてきたが、それに比べれば日本春蘭の歴史は明治以降と浅い。中国春蘭は花茎が短いが芳香は強く、日本春蘭は花茎が長く芳香が弱いという違いがある。
花被には赤紫色の条線が入り、唇弁には紫色の斑点がある。これが人の黒子に似ているので別名ホクロとも呼ばれる。若い花や茎は天ぷらにしたり、熱湯に通したあと酢の物や吸い物にして食用とされる。また、塩漬けの花に湯を加え、花湯(蘭茶)として祝いの席に利用したりする。