万葉の2首は8世紀半ばで、次に現れるのが10世紀後半の古今和歌六帖といわれている。
あかねさす昼はこちたしあじさゐの花のよひらに逢ひ見てしがな(詠み人知らず)
その後中断し、12世紀前半から鎌倉時代にかけて散見される程度。それもほとんどが「あじさゐの花のよひら」の定型句で、「アジサイ」→「よひら(四葩)」→「宵」→「夜」と夜にかけていて、アジサイの花を見ているとは思えない。よひらとはガクアジサイを意味しているのだが。
アジサイは身近にあるはずだが詠われることが少なく、古事記、日本書紀、源氏物語、枕草子などにも記載がないのが謎である。
セイヨウアジサイのガクアジサイは鉢植えの小ぶりのものが多く出回り、中でもこの青紫色が多い。