半坪ビオトープの日記

ショウジョウバカマ(猩々袴)

奥鬼怒温泉郷の加仁湯の裏手でショウジョウバカマを見かけた。
紅紫色の花を中国の想像上の猩々に、下方に拡がる根生葉を袴に見立てて名付けられた。日本全国及びサハリン、朝鮮の湿原や山地の渓流沿いに自生する。雪解けを待つように、長さ10〜20cmの花茎を伸ばし、淡紅紫色から濃紅色までの線香花火のような花を咲かせる。花の後、花茎は高さ50cmにもなる。光沢のあるロゼット状の葉は冬も枯れない。古い葉の先に若芽をつける性質を利用して、発生生理学研究の実験植物として用いられている。
花期は4〜6月であるが、夏山の雪渓近くではしばしば登山者の目を楽しませてくれる。新潟では「かんざしばな」、岩手では「ゆきげんじ」。別名の雪割草と同じく、雪解けに顔を出すことに由来する名をたくさんもっている。