半坪ビオトープの日記

ユスラウメ(桜桃)

中国原産で古い時代に渡来した。4月初旬、葉と同時かやや早く、白色または淡紅色で直径1.5〜2cmの花を木に張り付いたように咲かせる。咲く時期も姿形もウメとサクラの中間で、花弁は5枚。6月ごろにルビー色に実が熟し、食べられる。花や味よりも赤い実の美しさのために庭木としてよく植えられる。寒地でもよく生育し、土質もさほど選ばず、手入れもほとんどいらない。近所で見かけたが、子供の頃はどこでも見かけたような気がする。
韓国では他の百果に先んじて熟すため、宗廟の供物として珍重され、各地の店頭や市場に並べて売られるという。
ユスラウメとは、韓国名のYi-su-lat から転化したものといわれ、江戸の国学者新井白石はその著「東雅」の中で、「ゆすらといふはもと韓地の方言に出でし也。即今、朝鮮の俗に移徒楽としるし、ゆすらといふもの之也」としている。また、漢名は桜桃で、日本で桜桃をサクランボに当てるのは誤りともいう。日本での漢字は桜桃、梅桃、山桜桃、毛桜桃といろいろ当てられている。
万両にゆすらの花の白き散る  正岡子規