半坪ビオトープの日記

ウグイスカグラ(鶯神楽)

鶯の鳴き始める早春に開花するので「ウクヒス」と名付けられたらしい、と貝原益軒の「大和本草」(1708)にある。スイカズラスイカズラ属の落葉低木。別名は、ウグイスノキ、グミ、グミノキ、アズキイチゴなど。カグラの漢字名および名の由来については諸説あるが、鶯神楽説に説得力がある。つまり、早春、春告げ鳥である鶯が本樹の木陰に飛んできて、枝から枝へ飛び跳ねながら古式ゆかしい岩戸神楽を舞っている、と見立てて命名された名前である、と。
山野に普通に生え、よく分枝して高さ1.5〜3mになる。葉は対生し、長さ2.5〜5cmの広楕円形または倒卵形で無毛。4〜5月、本年枝の葉脈から長さ1〜2cmの花柄をだして、淡紅色の花を1個まれに2個下垂する。花冠は長さ1.5cmほどの細い漏斗形で、先端は5裂して平開する。液果は直径1cmの楕円形で6月に赤く熟す。甘くて食べられ、生食するほか、砂糖漬け、ジャム、果実種、ケーキの飾りなどに用いられる。
北海道、本州、四国に分布する。挿し木または株分けでふやすが、適期は春の萌芽前である。耐寒性も耐暑性もあり、土質もほとんど選ばない。
職場の裏庭で、例年より特に早く、まだ葉も出ない2月初旬から咲き出していた。