半坪ビオトープの日記


アブチロン(Abutilon) の属名は、ギリシア語 a(否定)と bous(牝牛)と tilos(下痢)に由来し、家畜の下痢を止める効能があるといわれることにちなむ。
和名はイチビ属という。イチビ(黄麻、A. theophrasti)は、インド原産で古くに日本に伝わり、布などの繊維として使われたり、火打ちから火を移し取る火口(ほくち)の材料とされた。別名にホクチガラ(火口殻)がある。
ただし、現在は帰化植物として各地で雑草化して嫌われている。
黄橙色で下向きに咲く杯形のこのアブチロンは、タンジェリン(A. × hybridum 'Tangerine') という園芸品種である。丈夫でよく育ち、高さ2mほどになり、花を多くつける。

こちらの黄色の花は、イエローメキシコ(A. h. 'Yellow Mexico') という。高さは3mほどになり、花も多くつき、よく見かける。

この白色のアブチロンは、シルバー(A. h. 'Silver') という。純白で美しいが、滅多に見かけない。

赤と黄色の配色が美しいこの花が、ウキツリボク(浮釣木、A. megapotamicum) といい、アブチロン属の中ではもっともよく見かける花である。チロリアンランプとも呼ばれる。
ブラジル原産のつる性の常緑低木で、高さは1.5mほどになり、花期は6〜10月といわれるが、まだ咲いている。