半坪ビオトープの日記

ヤマアカガエルの抱接

同じく土曜日の夕方には静かになったので様子を見に行くと、既にアカがシロの上に乗っていた。一回り大きいメスが背中にオスをおんぶした形だが、陸生の動物の交尾とは違って、カエルのような水生動物の場合は、メスが産み出した卵にオスが精液をかける体外受精で済ます。つまり、カエルのおんぶは交尾ではなく抱接という。
アカガエルやヒキガエルの抱接の型は腋下抱接型といって、メスの前肢の直後を抱く。アマガエルやカジカでは胸部抱接型といって、前肢からいくらか間隔を置く。
この抱接では、オスはメスを背後から強く抱きしめ、両前肢で卵で膨らんだメスの腹部を強く押して産卵を助け、卵が出てくると次々と精液をかける。繁殖期のオスの前肢の親指にはたこ(隆起)が発達する。オスの抱接する力はとても強く、ときにはメスを死なすことがあるという。
火鉢の中で溺死寸前にすっかり弱っていたシロに、待ちに待ったアカがしがみついている姿を見ると、うまく産卵できればいいのだがと心配になった。