壱岐最北端の港町、勝本港は壱岐最大の漁師町である。『古事記』や『日本書紀』に記された神功皇后ゆかりの史跡や江戸時代の朝鮮通信使関連施設など、古代から近世まで日本と中国・朝鮮半島を結ぶ通行の要衝だった。それらの史跡巡りや、辰ノ島クルーズは後日の楽しみとして、まず、勝本港の北東の串山半島にある壱岐イルカパークを訪れた。
ジャンプの練習を見学できるプレイングタイムを始め、ヒレやお腹に触れられるタッチタッチドルフィンや、魚をあげられるイルカにご飯など、色々なアクティビティが充実している。
トレーナーの仕事を体験できるトレーニングツアーや、一緒に泳げるドルフィンエンカウンターなども用意されている。
プレイングタイムは無料で見学可能。フィナーレは大ジャンプで決まり。プールの周囲にはカフェもあり、アスレチック遊具や芝生の広場も整備されている。夏には予約制でバーベキューやキャンプも可能だ。
イルカパークのある串山半島の東側は玄界灘に面している。左手(北)の方には、防人の跡や串山見目(みるめ)浦遺跡があり、奥のコーゴ岬にはミサキ大明神がある。
右手(東)の方には、天ヶ原海岸があり、その先には名も知れない岬があり、さらに彼方には壱岐島の北東端である赤瀬鼻がかすかに認められる。
天ヶ原海岸の右手(南)の断崖絶壁は、高さが50m、長さが4〜6kmある。壱岐の土台石と呼ばれる壱岐で一番古い、日本の原型が作られた頃とされる約2,500万年前の勝本層が一番下に見られる。勝本層は砂岩と頁岩の互層で、たいへんもろく崩れやすく、落石も起こっている。その上に凝灰角礫岩と火砕流堆積物を主とする700万年前の壱岐層、さらに第四紀層の玄武岩が広く覆っている。その地層の中からは、植物や貝殻等の化石も見つかっている。崖の上部に這いつくばりながら垂れ下がっている植物が見られるが、国指定の天然記念物であるハイビャクシン(Juniperus chinensis var.procumbens)という。