半坪ビオトープの日記

立山から宇奈月へ

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劔岳と劔御前

室堂ターミナルから立山黒部アルペンルートの西側部分、立山駅へと向かう。はじめは立山高原バスで天狗平、弥陀ヶ原を通り、美女平まで約1,500mの標高差を下る。室堂を出発してまもなく、天狗平を過ぎた辺りで、劔御前(2,776m)の後ろに隠れていた劔岳2,999m)が姿を表す。

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劔岳

劔岳は、日本国内の登山では最も危険度の高い山とされるので、素人には縁がないとしても、どんな山か見ることができて幸いである。

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頭だけの立山三山

弥陀ヶ原に近づく頃には周りの雪もほとんどなくなり、立山三山も頭だけ見えるに過ぎなくなる。

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弥陀ヶ原と鍬崎山

弥陀ヶ原は標高1,600mから2,000m、東西4km、南北2kmに広がる火砕流台地である。餓鬼の田(池塘)が数多くあり、ラムサール条約にも登録された貴重な高原湿地である。夏には湿地を好む高山植物が咲き乱れるお花畑もある。谷を隔てて向こうに見える山は鍬崎山(2,062m)であろう。

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薬師岳

弥陀ヶ原からなおも下っていくと、左手後方(南)に雪をかぶった高い山、薬師岳2,926m)が見えてくる。昔、越中立山というと、北の毛勝三山から南の薬師岳辺りまでを指したという。今では北アルプス中央部の鎮めとして人気があり、雲ノ平や黒部五郎岳とともに黒部源流の山と位置付けられている。立山と同様、古くから山岳信仰の山で、平家落人伝説のあった有峰の人々が薬師如来の山として山頂に小さな祠を建て、毎年の祭には登拝して剣を奉納していたという。

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ナナカマドの紅葉

落差350mと日本一ともいわれる四段構成の称名滝を過ぎる辺りから、ようやく赤や黄色に染まる紅葉が見られるようになる。モミジは少なく、赤い葉はナナカマドの紅葉である。

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立山地ビール「星の空」

美女平駅から立山ケーブルカーに乗って立山駅に着いてアルペンルート は終わる。そこから富山鉄道に乗り換えて宇奈月へと向かう。早速、立山駅で買い求めた立山地ビールを味わう。立山アルペンルート(黒部湖〜立山駅)で2018年から売り出された「星の空」は、立山の主峰・雄山の名水「立山玉殿の湧水」で仕込み、缶内で自然発酵させたクラフトビール。青色缶はフルーティでまろやかなオリジナルビール、黒色缶は香ばしい苦味が特徴の黒ビール。濾過せず残ったビール酵母がビール本来の旨味を引き出しているという。どちらも味わい深く美味しい。

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寺田駅

立山駅から宇奈月温泉駅まで2時間ほどかかる。途中の寺田駅で乗換えが必要だが、30分も待ち合わせた。辺りは田畑が広がり、彼方には北アルプスの山並みが見える。

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黒部峡谷鉄道宇奈月駅

富山地方鉄道宇奈月温泉駅から黒部峡谷鉄道宇奈月駅まで300mほど歩く。いよいよトロッコ電車に乗るが、普通の電車よりひと回りもふた回りも小さくて可愛い電車だ。このトロッコを見ると、7年前の夏に来たのを思い出す。

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ロッコ電車

ロッコ電車の客車にはいくつもの種類があり、運賃や料金にも違いがある。手前のオープン型普通車両が最も安く、窓もドアもなく、鎖を外して乗り込むが、秋も深まるとかなり寒い。他は全て窓付きの密閉型客車(ボギー車両)で、特別客車とリラックス客車がある。右奥がリラックス客車で、距離に関係なく車両券の購入が必要である。午後3時近くの最終列車だったので、リラックス車両に乗り込んだ。