半坪ビオトープの日記

美ら海水族館、熱帯魚


美ら海水族館には9時丁度に到着し、なんとか並ばずに入場できた。美ら海水族館は、本部半島備瀬崎近くにある国営沖縄記念公園・海洋博公園内の水族館で、沖縄本島随一の観光地として人気がある。

海洋博公園内には美ら海水族館の他にも、海洋文化館、沖縄郷土村、熱帯ドリームセンター、エメラルドビーチなどがあり、水族館の周りにもマナティー館、イルカラグーン、ウミガメ館などの施設があって、一日ゆっくりと見学しながら過ごすこともできる。正面の海に浮かぶのは伊江島で、東西8.4km、南北3km、総面積22.77k㎡の島の中央に海抜172mの城山(ぐすくやま)が富士山型の美しい姿を見せている。古くから航海の目印となっていて、島外では「伊江島タッチュー」の名で親しまれている。タッチューとは、沖縄の言葉で先端が尖っているものという意味である。

エスカレーターで上り、3階の入り口から「サンゴの海」「熱帯魚の海」と見学が始まる。「サンゴの海」にも熱帯魚がたくさん泳いでいるが、もっとも目立っているのはこの「コブシメ」であろう。ひょうきんな仕草に見えるが、悠然と堂々と泳ぐ姿を間近に見られるのは面白い。

コブシメは、コウイカ類の最大種で、泳ぎながら体の色を変えることができる。胴長50cm、胴幅27cmに達し、沖縄では「クブシミ」と呼ばれる。若い時に八重山の海の中で突然コブシメに出会った際は、大砲の玉かと思ってびっくりしたが、それと同じ位のほぼ標準の大きさで、胴長は40cmほどありそうだ。

サンゴの海に泳ぐ魚たちの種類は非常に多く、目立った色柄でないと判別しにくい。一番右の横縞の魚は、本州の海でもよく見かけるタカノハダイである。左手の黄色に白い筋が縦縞に入っているのはヨスジフエダイである。魚に限らず脊椎動物の縞模様は、背骨の軸方向に対して平行な向きを縦とするので、ヨスジフエダイは縦縞となる。魚を釣り上げた時のように頭を上に直立させて判定すると覚えておくと良い。  

こちらの青・黒・黄の鮮やかな三色からなる魚は、ナンヨウハギという。独特の体色が美しい観賞魚として人気があり、水族館でよく飼育されている。

前頭部に天狗の鼻のような突起をもつこの魚は、テングハギという。体色が褐色なものが普通だが、この個体はかなり薄い色をしていて、おちょぼ口とぎょろっとした目が可愛らしい。

大きなイソギンチャクに隠れるような魚は、ハマクマノミである。イソギンチャクと共生するので有名なクマノミの仲間は、ハマクマノミを含め日本には6種いるが、白い横縞や背中の白線により区別する。一本の横縞だけなのでハマクマノミとわかる。

サンゴ礁の魚といえば、最も美しい姿と思われるのが、このツノダシである。背びれの白い第3棘が糸状に長く伸びていてとても優雅である。また、体色の白、黒、黄色の配色も絶妙といえよう。周りの黄色い魚3尾は、ヒフキアイゴという。一見、イッテンチョウチョウウオかと思うが、可愛らしいチョウチョウウオと違って、各ヒレの棘には毒腺がある。稚魚は沖縄名物のスクガラスの材料となっている。ツノダシの右手の横縞の魚は、ロクセンスズメダイである。もっとも普通に見かけるオヤビッチャと極めて類似するが、尾びれに黒い筋が入るので区別できる。