半坪ビオトープの日記

アドベンチャーワールド


3月中旬に和歌山県の白浜、熊野三山から高野山まで旅した。初日は和歌山駅前で湯浅醤油味の和歌山ラーメンを食べた後、高速道路で白浜まで直行し、パンダを見るためアドベンチャーワールドに立ち寄った。アドベンチャーワールドは動物園、水族館、遊園地が一体となったテーマパークで、近年はパンダの飼育で人気を集めている。パンダ以外ではサファリワールドが面白そうなので、列車タイプのケニヤ号に乗って一周した。最初は、アフリカゾウフィーディング。徒歩で散策すれば、アフリカゾウに果物や野菜を直接あげることができる。

キリンテラスでは、キリンと同じ目の高さでエサをあげられる。草食動物ゾーンでは、キリンの他にもシマウマやマレーバク、シロサイ、ゴールデンターキンなどを車内から見ることができる。

サファリではやはり肉食動物ゾーンが面白い。二重のゲートを通過すると、大きなオスライオンが2頭、寄り添って昼寝していた。間近で見ると、大きな猫のように可愛い。

メスライオンもゆったりと寝そべっていて、なんともほほえましい雰囲気である。

ライオンに比べると、トラの方が寝そべっていても迫力があり、風格を感じる。

日本で飼育されているジャイアントパンダは、上野動物園王子動物園と合わせて10頭のうち、7頭がアドベンチャーワールドにいる。中国本土以外の動物園で7頭も飼育されているのはここだけであり、これは世界一の規模である。サファリワールドの左手前にあるブリーディングセンターとエントランスに近いパンダラブの2箇所に分かれて飼育されているが、最近生まれた双子のパンダの育ち具合で、住む場所が変動する。この時は、ブリーディングセンターには、海浜・陽浜・優浜の3頭が暮らしていたが、パンダの顔や姿はほとんど変わりがなく見分けはつかなかった。

海浜・陽浜は2010年8月にここで生まれた雄雌の双子で、優浜は2012年8月にここで生まれた雌である。パンダは起きている時、始終エサの笹竹をたべているようだが、無心なその仕草はまことに微笑ましい。

ブリーディングセンターの近くにサーバルキャットが飼育されていた。サハラ砂漠以南のアフリカに住む野生の猫で、四肢が長く細身の体は美しいが、軽快に動いているというより少しノイローゼ気味に見えた。

パンダラブに向かう途中、ペンギン王国に寄ってみた。希少なエンペラーペンギンをはじめ、8種類、約300種のペンギンを飼育する世界有数の規模を誇る。皇帝ペンギンとも呼ばれるエンペラーペンギンは、ペンギン最大の大きさで身長は1mを超えるという。ここは世界で繁殖に成功している3園の一つで、国内飼育もここ以外では名古屋港水族館の数頭のみである。濃褐色の赤ちゃんペンギンが特別に可愛い。

エントランスに近いパンダラブのメインスペースでは、2014年12月に生まれた双子の姉妹、桜浜・桃浜が仲良く遊んでいる姿が見られる。桜浜・桃浜は、生まれた時それぞれ181g、186gだったが、2ヶ月後には3kgになるなどすくすく育ち、子育ての時期から公開されて、子供だけでなく大人にも人気の的となっている。

地元の白浜町では、アドベンチャーワールドジャイアントパンダを観光の目玉と位置づけ、「パンダの町白浜」と懸命に宣伝している。しかし、このアドベンチャーワールドは、成都大熊猫繁育研究基地の日本支部であって、ここで生まれた子供も含め、飼育されているすべてのパンダは同研究基地本部の所有である。

ジャイアントパンダは、中国のチベット族チャン族自治州域内が主たる生息地で、四川省陝西省などにもわずかに残存する。竹食などの草食傾向が強いが、昆虫・小動物や果実をたべるなど雑食性も少しはある。1属1種でクマ科に属する。普通のクマは物を掴むことができないけれども、ジャイアントパンダは竹を掴めるように前肢周辺の骨が特殊に変化している。外見や仕草は人間にとっては「愛らしさ」と映るが、クマ科動物である以上、気性の荒い一面も併せ持ち、飼育員や見学客が襲われる事件もいくつか発生している。