半坪ビオトープの日記

竜串海域公園


足摺岬の西に位置する竜串海域公園は、足摺宇和海国立公園に属し、昭和45年(1970)に日本で初めて海中公園に指定された。竜串湾一帯に広がり、サンゴや華やかな魚類と共に亜熱帯的な海中景観を形成している。

竜串海岸は臥竜山と呼ばれる山に沿っていて古くは龍串と呼ばれていた。山そのものが竜が臥しているように見えることで「たつふし」から「たつくし」になったという説や、その竜を細長い岩で串刺しにしたように見えることからなどの説がある。竜串海岸の代表的な景観として有名な大竹・小竹のように丸みを帯びた摂理が、大木のように竜串湾内にも何本か見られる。

竜串湾内の海中を探索するにはダイビングやシュノーケリングがベストだが、1年中簡単に見物できるグラスボートも竜串漁港と桜浜桟橋の2カ所から運行している。ここは竜串漁港で、右手に向かってグラスボートが竜串湾に出て行く。

竜串海域公園は、湾内に4つのエリアが特定されている。竜串漁港から出た船は、湾内の岩礁を避けてテーブルサンゴが見られる第3号地に向かう。

右手彼方に見えるのは足摺海底館である。中四国唯一という高さ24mの大規模海中展望塔である。塔の内部は海上展望室と海面下7mの海中展望室があり、四季折々の魚のほか、グレ・ハリセンボン・チョウチョウウオは年中見ることができる。

第3号地ではテーブルサンゴの周りに、サンゴの海の普通種であるオヤビッチャが群れている。

ここにもテーブルサンゴの群落があり、スズメダイなどの熱帯魚が集まっている。

船は次第にシロコサンゴが密生する見残し湾の第4号地に近づいていく。

第4号地は見残し海岸の船着き場にも近く、入江の左手には獅子岩が特異な形を見せている。昔は象の鼻と呼ばれていたそうだが、台風で鼻が折れてしまって呼び名が変わったという。

見残し湾のシコロサンゴ群体は国内最大級で、高知県の天然記念物に指定されている。シコロサンゴは、大きくて厚い葉状片が板を組み合わせたように垂直に生育し、全体的には大きなドーム状の群体を作る。青い熱帯魚・ソラスズメダイがたくさん群れている。

こちらではシコロサンゴの上をウツボがくねくねと泳いでいる。