半坪ビオトープの日記

青海島、仏岩


平家台の東には巨大な岸壁が突出していて、その下に観音洞がある。長さ54m、高さ6〜9m、最大幅20m、入口8mで、船がようやく通り抜けられる。洞の中間左側に女性観音と呼ばれるところがある。

観音洞を抜けたところに巨大な岩が屹立していて、男性観音と呼ばれている。この辺りから大門あたりまでは、主に流状石英斑岩よりなっている。

さらに東に進むと、二本並んで立っている石門がある。陸上から見ると門のように見えるそうだが、海上からは背景の崖と重なって見分け難い。

次に大門、小門と二つの洞が並ぶ。大門の岩の高さは約40m。青海島を「海上アルプス」と大正時代に初めて呼んだのは横山健堂で、海上からのみ見えるこの大門一帯を指していったという。

小門入口の右手に「仁王の足跡」と呼ばれる岩の窪みが、かろうじて見分けられる。

遊覧船は、右手に水中洞窟などのダイビングができる船越海岸を眺めながら東に進み、海岸に大小の岩島が立ち並ぶ「十六羅漢」に至る。こうした光景は、中生代の地層を基盤として、幾度となく隆起と沈降を繰り返し侵食されてできたものである。

松の木が姿よく生えている小島は、山島という。

遊覧船一周コースの後半のハイライトは、この島見門である。高さ100mもの大岩の下部にぽっかり空いた洞門を東に抜けて後ろを振り返ると、洞門の間から松の木が生えた山島が見える。

潮鼻灯台の建つ岬を回り込むと、青海島の東海岸に出る。すると妙な姿の岩が現れる。さらに南に回り込むと、仏様が合掌してお祈りしているように見える。これが東海岸景勝地、仏岩である。首から手に数珠も掛けられている。

縦に柱状節理があるように見えるこの大きな崖は、屏風岩という。

東海岸のもっとも東の海にいくつもの岩島が集まるこの辺りは、松島と呼ばれている。

最後に青海島の東南端を回り込むと、鯨の墓がある通の集落が見える。次から次へと景勝地が展開する青海島の一周コースは、ようやく終わりを迎え仙崎港へと帰っていく。日本各地の海岸に遊覧船があるが、この青海島の一周コースは特筆すべきものと思われた。