半坪ビオトープの日記

花輪ばやし


道の駅鹿角に鹿角観光ふるさと館があり、観光案内所・手作り体験館・売店・レストランのほか祭り展示館(有料)も併設している。

祭り展示館には、祇園ばやし、神田明神ばやしと並ぶ、日本三大ばやしの一つ「花輪ばやし」の豪華絢爛な屋台が一堂に展示されている。

花輪ばやしは、花輪の総鎮守・幸稲荷神社に奉納される祭礼囃子の屋台行事である。「産土(うぶすな)さん」と地元で慕われるこの神社は、創建は不詳だが古くから篤く信仰を集めていた。8月の祭礼では、本殿から町へ神幸(神輿の渡御)があり、里宮の御旅所に神輿と御神体は5日間安置される。神輿と御神体を入れた桐箱とが別々に出るという特異な行列である。

中でも後半二日間は、花輪ばやしという名で賑やかな祭りとなり、鹿角だけでなく秋田を代表する祭りとして、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

大町、新町、船場町、旭町など祭りに繰り出される10町内全ての屋台が揃って明かりを灯され、囃子の音が鳴り響いている様子は壮観である。

花輪ばやしのポスターの隣には、大湯大太鼓のポスターも貼られている。鹿角から十和田に向かう途中にある大湯地区に伝わる大湯大太鼓は、雨乞い祈願に始まるとされる。南部地方は馬産地だけに、太鼓は馬革張りで音に張りがあるという。

さらに「毛馬内の盆踊」と「大日堂舞楽」のポスターもあった。
大湯の西に隣接する毛馬内地区では、秋田県の三大盆踊りの一つ、毛馬内の盆踊りが行われる。大太鼓と笛の囃子で踊る「大の坂」と無伴奏の唄のみで踊る「甚句」の二つで構成され、情緒豊かで地域色顕著として、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

祭り展示館の後、花輪ばやしが出発する幸稲荷神社を探したが見つからず、花輪ばやしの里宮の御旅所だけ見て回った。御旅所の創建は不明だが、記録では安永7年(1778)に建物が大破し再建されている。