半坪ビオトープの日記

兼六園、霞ヶ池


明治紀念之標の向かいには、兼六園菊桜が植えられている。日本で一つしかなかった天然記念物、兼六園菊桜の2代目である。

一つの花に花びらが300枚以上つき、菊の花のように咲く。普通の桜と違って、濃紅、薄紅、白と色が移っていくのが特徴という。4月下旬から5月上旬の開花期にめぐり会えたのは幸運だ。

菊桜の前を左に進むと、右手に根上松(ねあがりまつ)が大きな姿を見せている。大小40数本の根が地上2mにまでせり上がった奇観は迫力があり、兼六園名物の一つとなっている。13代藩主・斉泰が土を盛り上げて若松を植え、根を深く土で覆い、成長後に土を除いて根をあらわにしたものだと伝えられている。

根上松を右手に見て正面には、辰巳用水が流れ、花見橋がかかっている。

辰巳用水は、寛永9年(1632)に3代藩主・利常が金沢城の防火用水を確保するためなどに設置したもので、後に兼六園の曲水として用いられるようになった。用水の取り入れはここから約10km離れた犀川上流である。擬宝珠の欄干がある花見橋は、緩やかな曲水に沿って咲き誇る、桜、カキツバタ、サツキ、ツツジなどの眺めが素晴らしいことから名付けられた。

辰巳用水の向こうには、成巽閣(せいそんかく)がある。13代藩主・斉泰が母の隠居所として建てた歴史的建造物であるが、金沢からの帰りに日をあらためて寄ることにする。

中央の霞ヶ池の南から北端の徽軫灯籠方向を眺めると、左手前に内橋亭という水亭が見える。かつて蓮池馬場の馬見所に建てられていたものを、明治7年に現在地に移築した。右手に見える島は、蓬莱島という。