半坪ビオトープの日記

吹割渓谷遊歩道


吹割の滝と吹割渓谷は、国の天然記念物および名勝に指定されている。この渓谷を廻る遊歩道は、一周約1時間かかるという。
遊歩道を遡って進んでいくと、前方に浮島とその右の浮島橋、左には吹割橋が架かっている。浮島には、古墳時代に榛名火山から噴出された二ツ岳軽石層が堆積しているといわれる。

120mほどの浮島橋をたどって赤松に覆われた浮島に渡ると、中州には浮島観音堂がある。

堂内を覗くと、左甚五郎が一夜の礼に彫ったといわれる小さな金箔木像の如意輪観音像、その右に波切不動尊、その手前に滝見観音などが安置されている。

次の吹割橋から下流の滝方向を眺めると、夫婦岩千畳敷が見えるはずだが、水量が多いせいか判別し難い。

上流を眺めると、浮島自体がかなり大きいのがわかる。彼方に橋が架かっているのも見えた。

対岸に渡ると遊歩道は詩のこみちとなって、徐々に上がっていく。道端にはスミレの花が咲いている。スミレの花は種類が多く判別が難しいが、このスミレはヒナスミレ(Viola tokubuchiana var. takedana)であろう。日本全国の低地から山地の林下に生える多年草である。

こちらのスミレは、山野にごく普通に見られるタチツボスミレ(Viola grypoceras)であろう。日本全土に分布する。

10分ほど上りながら進んでいくと、ようやく第一観瀑台に着く。吹割の滝はかなり下の方に眺められる。滝の回りの観光客が米粒のように見え、吹割渓谷と吹割の滝の豪快な全体像が俯瞰できて面白い。

遊歩道脇に「塞の神」が祀られている。賽銭の入ったお椀はどれも底に穴があいている。説明によると耳にご利益があるそうだ。

第三観瀑台からは、鱒飛の滝や般若岩、獅子岩などの断崖がかろうじて見える。青葉が茂る新緑の季節や夏場には、木々の葉でよく見えないだろうと思われた。

遊歩道が終わる所には、十二様とも呼ばれている十二坐神社がある。この後、吹割大橋を渡って出発点の滝入口に戻ることになる。十二様とは、「十二の山の神様」の略だともいわれ、いわゆる「山の神」と混淆して区別しがたくなっている。上信越を中心に奥羽から中部地方の山間に広く信仰され、山仕事全般の安全の守り神として祀られている。