半坪ビオトープの日記

弥山山頂、大日堂


くぐり岩をくぐり抜けて不動岩の上に躍り出ると、瀬戸内海に浮かぶ島々が眺められる。正面の大きな島は江田島と繋がっている西能美島であり、その右手前の円錐型の小島は小黒神島である。その右手奥には大黒神島がある。これら二つの島は無人島である。

振り返れば弥山山頂の巨岩が聳えている。脇を通り抜けると山頂広場となっている。

山頂広場には、昨年リニューアルされたばかりの展望台があり、まさに360度の絶景を堪能できる。

展望台から南を眺めると、先ほどの巨岩が見える。神が鎮座するといわれる磐座(いわくら)岩で、高さは5mある。このため弥山の山頂は、529.8mとも535mともいわれる。磐座岩の左裏に見える島は、阿多田島であろう。

山頂を訪れたことがある伊藤博文は、「日本三景の一の真価は頂上の眺めにあり」と絶賛した。山頂広場の片隅に鹿がいたので、一緒に記念写真を撮る人もいた。

東を眺めると、ロープウェイの獅子岩駅と獅子岩展望台、さらにその彼方に大奈佐美島が見える。今は無人島だが、明治時代の軍施設の廃墟があるという。

上ってきた道とは違う西の道を下り始めると、まもなく弥山七不思議の一つである干満岩に着く。大きな岩の側面に開いた小さな穴で、中の水は海の潮が満ちると溢れ、潮が引くと乾くといわれる。

そのすぐ先の道端に、今度は舟岩が現れる。船の形をした大きな岩で、岩の下には石の地蔵が安置されている。

さらに下っていくと、大日堂の脇に出る。弘法大師が修法の道場として建てた御堂といわれ、弘法大師作と伝わる大日如来が祀られている。不動明王も祀られていたが、台風災害のため、現在は大聖院霊宝館に祀られている。

下りきった道は、右手から歩いて上ってくる登山道と合流し、弥山本堂前に再び戻る。そこからロープウェイの獅子岩駅に戻るのだが、本堂のすぐ下に、上る時には気付かなかった閼伽井堂を見かけた。弘法大師が求聞持法の修行に用いられた清浄水(閼伽水)の湧く井戸がある。本尊として、不動明王を祀っている。