半坪ビオトープの日記

宮島口から宮島へ


3月中旬に広島近辺に史跡巡りに出かけた。東京から4時間新幹線に乗ると広島に着く。そのまま宮島口へ向い、穴子飯の昼食をとる。明治34 年(1901)創業、あなごめしの発祥店、駅前の「うえの」に入り待つこと20分。

先ずは穴子の白焼きを熱燗で。岩塩と生わさびで食べる白焼きは美味しい。だが残念ながら、値段の割に穴子1尾では少ない気がする。

穴子飯は、甘辛ダレにつけて数回焼いたものを、穴子で取ったダシで炊いたご飯に乗せたものである。余分な脂を落としているせいか、ふっくらというよりか焼き穴子そのものを味わう感じがしたが、宮島名物と思えばとにかく美味しい。

宮島口桟橋は、歩いてすぐにある。前のロータリーには、舞楽蘭陵王」の像が立つ。中国北斉の闌陵の王・長恭は容貌がとても美しくて兵が戦に集中できなかったため、出陣するとき王は仮面を付けて指揮を執ったという伝説による。平安末期、平清盛によって舞楽厳島神社に伝えられ、今も年中行事として守り継がれている。舞楽「闌陵王」もその一つという。

宮島行きの船は次々に出航し、10分で宮島桟橋に着く。思ったより大きな宮島の主峰・弥山には大きな雲がかかっている。

行きの船は大鳥居の前を通ってくれる。ぎりぎり海上に建つ厳島神社と、海の中に建つ大鳥居は、日本三景の一つであり、世界遺産にも登録されただけあって、とても絵になる風景である。

潮が引いてきて州浜が現れてきたようだ。砂浜に下りて歩く人も見える。

神が宿る島として島そのものが信仰の対象だった宮島は、神を斎き奉る意味から昭和25 年(1950)まで厳島(いつくしま)と呼ばれていた。そのため陸地に社殿を建てるのは恐れ多いと州浜に社殿を建立したという。背後の弥山の自然と融合した景観は素晴らしい。

厳島神社と大鳥居の左手に続く砂浜は、御笠浜という。浜の背後の高台には、秀吉ゆかりの豊国神社(千畳閣)と美しい五重塔が見える。