半坪ビオトープの日記

円蔵院、本堂


宝篋印塔だけでなく、本堂にも後藤義光の彫刻がいくつもある。本堂は、享和3年(1803)の建立であり、市の文化財に指定されている。

百畳敷の本堂入口の扁額は、後藤義光71歳の作である。

本尊は地蔵菩薩である。欄間の彫刻「王夫人と竜」は、後藤義光45歳、安政6年(1859)の作である。ほかにも義光70歳の作である釈迦如来像や六角回転経蔵もあるということだが、見つからなかった。欄間の左右には「牡丹と唐獅子」「牡丹と子連れ獅子」の彫刻があるのだが、これもよく見えない。

欄間の彫刻は精巧にできているのだが、堂内が薄暗く、天蓋に隠れていてよく見えないのが残念である。

千倉の彫工初代後藤義光こと後藤利兵衛橘義光は、本名を山口若松といい、この千倉町北朝夷の生まれで、江戸時代末期から明治時代にかけて宮彫師として活躍した。千倉後藤系を興し、義光の名は三代続くがいずれも迫力ある作風である。寺社の作品が多いが、一門の中には山車や神輿に傑作を残しているものがいる。

6月から7月にかけて境内はあじさいの花で彩られるという。境内の一画に円蔵院で最も古い鐘楼堂が建っている。

梵鐘は、享保8年(1723)の銘があり、本堂の彫刻とともに市の有形文化財に指定されている。