半坪ビオトープの日記

三十槌の氷柱


秩父、大滝地区の三峯神社へ通じる道沿いに、「三十槌の氷柱(みそつちのつらら)」と呼ばれる景勝がある。大滝温泉を過ぎて左折すると専用駐車場があり、そこから荒川の渓谷へと歩いて下る。その途中に額渕水天宮が祀られている。この下方に底無しの渕がありその余りの深さに額ずいて底を見たことから、誰とはなくその渕を額渕と呼称し今も地名として残っている。古より水天宮を祀り、水難除け、安産、家内安全を祈願してきたという。

急な坂道を下って行くと、かなり細くなった荒川の河原の石に雪が積もっているのが見えてくる。

荒川の渓谷沿いの岩肌から染み出す湧き水が、冬の寒さによって凍りつき、無数の氷柱を作り出している。

数日前に降り積もった雪を踏みしめながら河原を上流に向って進むと、一層見事な氷柱が見えてくる。

三十槌の氷柱が最も美しいといわれる1月中旬から2月中旬にかけて、「大滝氷まつり」が開催され、会場では甘酒や特産品の販売も行われる。

祭りの期間中には、夜間のライトアップが行われ、川にも映り込んで、昼とは全く違う幻想的で神秘的な光景が見られるということだが、そうでなくとも道路の凍結が心配なのでライトアップを見に来るのは諦めた。

三十槌の氷柱というが、氷柱の本数は数え切れない。いく筋にも下がった氷柱の先が鋭く尖って伸びる姿には、大自然の造形美と感嘆せざるを得ない。

氷柱の下がっている崖は10m以上あろう。氷柱の長さも長いもので4・5mはあろうと思われる。

帰りに駐車場まで上った所に展望台がある。そこから全体を眺めると、河原に積もった雪や枯枝に付いた霧氷なども相まって、昼でもかなり幻想的な光景となっていた。