半坪ビオトープの日記

仲仙寺古墳群


揖夜神社から東へ向い安来市に入ると、弥生時代後期(1〜3世紀)から古墳時代末期までの古墳が集中して残されている。

仲仙寺古墳群、造山古墳、塩津神社古墳などが古代出雲王陵の丘として整備されていて、さながら古墳の野外博物館のようである。

なかでも神塚団地内の仲仙寺古墳群は、丘陵の最高所に位置し、15基の古墳・墳丘墓からなっていた。ここには弥生時代後期の出雲を特徴づける四隅突出型墳丘墓があることで有名であり、現在2基残されている。

9号墓は27×19m(突出部含む)、高さ2mで、斜面には板石を貼り、墳丘の裾には立石を2列に巡らせる。突出部がやや膨らんだ形で、3世紀に築かれたとされる。

墳頂部には木棺を用いた3体分の埋葬施設があり、緑色凝灰岩製の管玉が出土した。現在は墳丘に芝を張り、墳頂には墓壙と木棺の輪郭がレンガで表示されている。

四隅突出型墳丘墓の分布は、出雲以東の山陰地方、中国山地北陸地方に集中し、古代出雲勢力の影響を窺わせるが、3世紀後半の前方後円墳の出現とともに姿を消している。出雲市に最も集中し、西谷墳墓群には全国最大級の一辺30mの墳墓4基があり、出雲平野の歴代大首長墓と考えられている。