半坪ビオトープの日記

玉前神社、拝殿


上総一ノ宮駅のすぐ西に玉前(たまさき)神社がある。延喜式名神大社として、また上総国一之宮として古来より地域の信仰を集めてきた。朱色の一の鳥居はとても鮮やかである。真東の九十九里浜に向いていて、春分秋分の日にはその真東から太陽が昇る。その直線を真西に引くと、寒川神社、富士山頂、大山の大神山神社、出雲大社と一直線に並んで「ご来光の道」となっていて、その起点として注目されている。

すぐ先に建つ石造の二の鳥居は、厳つい扁額からしても古めかしい。柱をよく見ると文化3年(1806)と彫られている。

二の鳥居のすぐ右手には、鉄分が多いという御神水がある。奥には白鳥の井もあるという。その天乃真名井(白鳥の井)は、玉前神社創祀といわれる。社伝によれば、日本武尊は東征を果たし都へ帰る途中、伊吹山で最期を遂げたが、白鳥と化して、弟橘姫命の亡くなったこの上総の地へ飛来した。そのとき一羽の雌の白鳥が現れ、湖で仲睦まじく泳いだ。日没で西へ飛び去った雄の白鳥に残された雌の白鳥こそ、弟橘姫命の化身だろうという。それ以来、その井戸を白鳥の井と称するようになったという。

一段高い社殿の手前に、両部鳥居の三の鳥居が建っている。

三の鳥居の左手に、末社三峰神社が祀られている。

拝殿は平成の大修理の最中で、シートに覆われ残念ながら姿を見ることができない。

それでも拝殿内部を少しだけ覗くことができた。祭神は玉依姫命である。正面には高砂の彫刻があり、左甚五郎の作ともいわれる。かつて御正体として神前にかけられていた鎌倉時代の白銅製の梅樹双雀鏡、松喰鶴鏡、蓬莱鏡など社宝も多い。