半坪ビオトープの日記

常陸国総社宮、本殿


常陸国総社宮の境内中央から拝殿に向かって右側には、日本武尊の腰掛石がある。東国平定の際、この地に立ち寄り、この石に腰掛けたという。永享12年(1440)には、太田道灌陸奥下向の途次、当社に参籠し、武運長久を祈願して次の和歌を詠んだ。総社宮には、太田道灌が奉納したと伝わる、漆皮軍配が保存されている。
曙の露はおくかも神垣や榊葉白き夏の夜の月 太田道灌

拝殿の向かい側に、神木であるクスノキの大木がある。樹齢約500年といわれる。

神木の左には、神武天皇遥拝所があるが、随分新しいようにみえる。

さらに左には、石碑がいくつか並んでいる。一番右には、天麻比止都禰命、二番目には、霊樹参天と彫られている。

石碑の左、拝殿の南側に十二末社があり、武甕槌命素盞鳴尊誉田別命菅原道真命・少彦名命・宇気母遅神・木花開耶姫命大己貴命経津主命・高龗(たかおかみ)神・猿田彦命大山祇命の十二柱の神々が祀られている。

総社宮の祭神は、伊弉諾尊素戔嗚尊瓊瓊杵尊大国主命・大宮比売命・布留大神の6神が祀られている。拝殿の後ろに続く本殿は、寛永4年(1627)建立の流造で、総社宮で最も古い建造物である。佐竹義宣の攻撃を逃れるため一時的に遷座した後、常陸府中藩主の皆川隆庸が当初の鎮座地であるこの地に再建した。屋根は、明治19年(1886)に銅板葺きに改修されている。

境内随神門の外側に土俵がある。総社宮大祭に合わせて相撲大会が執り行われる。江戸時代の大祭は、現在の祭とは異なり、相撲大会(角力)のみが神事として挙行されていたという。