半坪ビオトープの日記

二岐温泉、御鍋神社


二岐温泉より4kmさらに二岐山の登山口に向かって進むと、御鍋神社がある。
神社入口の数百m手前に大きな駐車場があり、そこからもブナの原生林の中を抜けて二岐川に沿って神社に向かう15分ほどの遊歩道がある。生い茂る草をかき分けて数十m進んだ所、道端の藪の中から「ウウー」と熊と思われる威嚇するような低い声が二回聞こえてきたので引き返した。

林道を進むと「史跡 御鍋神社」との標識が社号標代わりにあって、ここが入口とわかった。

枯れ葉に埋め尽くされた参道には、節だらけの原木そのままの鳥居が建てられていた。

太い倒木をよけながら100mほど下っていくと、古ぼけた小さな社殿が見えてくる。本当に大きな鍋が鈴の代わりに吊り下げられている。

御鍋神社の由来についてはいくつかの言い伝えがある。平将門が戦いに敗れ、密かに逃れて来たその妻桔梗姫と一族がこの地に隠れ住んだ。桔梗姫は後に将門の息子平九郎を出産するが、前途を悲観して自害してしまう。残された一族は再起を祈願し、朝廷から賜った鍋(鼎)を御神体にして神社に祀った。それが御鍋神社の始まりという。

祭神として、平将門、桔梗姫、平九郎が祀られている。異説として、桔梗の前は孫姫とするもの、平九郎は将門の家臣とするものがある。

社殿の前には鳥居の役目をするかのように、2本のサワラの巨木がある。
樹高42m、推定樹齢520年といわれ、「森の巨人たち100選」「福島県緑の文化財」にも選ばれている。神社手前の木橋を渡り左に進むと、二岐川の渓流と御鍋小滝に出会えるという。